TTのブログ

都内近郊でサックスを演奏しています。ライブスケジュール、聴いたもの、観たもの、読んだものについて

2018年に観た映画

今年は320本の映画を観た。昨年の500本から180本も減少してしまったが、音楽活動に注力した割には観れたように思う。

 

昨年までは休日の度に名画座で2本立て+家で1本という勢いだったのだが、今年に入って映画館通いが一気に億劫になってしまった(館内でやたら神経質になった気がする)。

外界から遮断された暗闇の中で巨大な画面を見つめる、という体験価値は身に染みて分かっているつもりだが、

室内で他の客に煩わされずマイペースに観るという習慣に安住しつつある自分がいる。

 

新作で良かったものは以下。順不同。()内は監督名。

----------------------------------------------------------------------------------

----------------------------------------------------------------------------------
 
相変わらず新作はそこまで観れなかったが、『寝ても覚めても』『きみの鳥はうたえる』で新作邦画の豊かさに触れ、
ホン・サンス諸作への愛おしさが増し(今年だけで新作5本観た。『クレアのカメラ』はその気負いの無さが心地良かった)、
『つかの間の愛人』の円熟した洞察力、『リベンジ』の外連味、スピルバーグ2作のアメリカ映画然としたドライブ感と説教臭さに心打たれた。
 
 旧作初見で良かったものは以下。順不同。

----------------------------------------------------------------------------------

逃げる天使(デニス・ホッパー)
アフリカの光(神代辰巳)
いちごブロンド(ラオール・ウォルシュ
シングル・ガール(ブノワ・ジャコー)

----------------------------------------------------------------------------------

 
前段で映画館から遠のいていると書いたが、上記はすべてスクリーンで観たものであった。やはり映画館で観た方が断然記憶に残ることが立証されている…。 
 
今年は個人的にはシャブロル・イヤーであった。一気に15本観ていた。
人間存在の闇への透徹した眼差し、細部まで行き渡った演出に心底熱狂してしまった。
クロード・シャブロルとの対話 不完全さの醍醐味』における彼の芸術論(「謙虚さ」と「曖昧さ」)は映画に収まらない射程を持ち表現者としても影響を受けた。
 
デニス・ホッパーダリオ・アルジェントロバート・アルドリッチアベルフェラーラ、ケリー・ライヒャルト、ジェームズ・グレイといった作家たちの映画も多く観た一年であった。
下半期はAmazon Prime東映チャンネルばかり観ていたような。
 
過去鑑賞作では『何も変えてはならない』『狂った野獣』『アタラント号』に改めて感動。
 
2019年も多くの素晴らしい映画との出会いを祈りつつ、締めくくります。